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まえがき
  このたび当社で特殊溶解法によりCu−Fe合金を工業的規模で製造しうる見通しを得た。
この溶解法によって製造したCu−Fe合金の諸性質について調べた結果を述べる。
なお、このCu−Fe合金を当社は CFA合金と呼称し、登録商標とする。
Cu-Fe 合金の種類
  用途に応じて自由にCuとFeの混合率を変えることが出来るが、ここでは実用領域としてCu 含有量 40〜75% のものについて述べる。
( 第1表 参照 )

CFA合金の機械的性質
  @ 引張特性
  第2図に熱間圧延材におけるCu含有量による引張り強さと伸びの変化を示す。
純金属に比べてCFAは、引張り強さは高く伸びは小さい。実験範囲ではCu含有量の増加につれて引張り強さはほぼ直線的に減じ、伸びは増加するが伸びの変化は少ない。
   
  A 加工硬化性
  第3図に冷間引抜きによる引張り強さと伸びの変化を示す。
冷間加工は容易であり、伸線により80% 以上の減面率を与えることが出来る。冷間引抜きによる延性の低下は比較的ゆるやかである。冷間加工に限らず、一般の塑性加工によってFe相は延伸方向に引き伸ばされ繊維組織を呈し、焼鈍してもこの組織は変わらない。その一例を第4図に示す。
   
  B 折出硬化性
  第5図に溶体化処理および冷間加工したCFA50を加熱した場合の硬さ変化を示す。
溶体化処理材で明らかなように300℃付近より折出硬化を生じ、500℃付近の加熱でHv35程度の硬化を示す。
冷間加工材の場合には加熱による軟化を生ずるが、300℃〜600℃付近で加熱した場合には折出硬化の影響により軟化が遅滞している。このような硬化はFeの中のCuの折出またはCu中のFeの折出による時効硬化現象によるものと考えられ、Cu含有量の異なる他のCFAについても同様に認められる。
なお第5図からCFAは、800℃〜850℃の焼きなましによって最も軟化することがわかる。また溶体化処理としては本系合金の変態点835℃( 加熱の際は約 875℃ )以上に加熱したのち急冷することが必要である。
   
  C 強度と延性
  第6図は各種のCFAについて引張り強さと伸びとの関係をプロットしたものである。
同一強度レベルで比較すると時効処理材は伸びが大きいことがわかる。また冷間加工によって高強度を得ようとする場合には、Cu含有量の少ないもののほうが伸びが大きい傾向が認められる。なお 燐青銅PBW3軟質および硬質材の結果と比較すると、CFA合金は軟質状態ではPBW3より伸びが小さいが硬質状態では伸びは大きい。
   
  D 耐摩耗性
  CFA50について相手材を純銅とした場合のすべり磨耗試験を行い、硬さとの関係を示したのが第7図である。CFA50の硬さは熱処理あるいは冷間加工によって調整したものである。試料の磨耗量は硬さが高いほど減少する傾向を示している。比較のため燐青銅(PBW3−O および−H)との試験を行ったが、CFA50の10倍以上の磨耗量を示した。相手材Cu( Hv88 ) の磨耗量は試料に比べ格段に多いが、試料の硬さが高いほど減少する傾向を示している。CFA50と相手材Cuの場合のCu磨耗量と、PBWと相手材Cuの場合のCu磨耗量とは大差ないようである。
   
  E 高温かたさ
  第8図は溶体化処理状態および時効処理状態のCFA50における温度と硬さとの関係を示したものである。溶体化処理状態のものでは300℃以上で折出硬化による硬度上昇が認められる。時効処理状態のものは室温での硬さが高く、また溶体化ままのものよりいくらか低い温度からの硬化を示している。時効処理したCFA50は600℃まで比較材として示したCu−Cr 合金に比べて高い硬さを維持している。

導電性
  第9図にCFA40〜60の導電率を示す。一般的にCuの導電率は微量の固溶元素によって著しく低下する。また導電率は冷間加工によっても低下する。CFA合金の場合は、時効処理によって導電率を回復する。CFA合金はいずれの状態でもCu含有量が多いほど導電率は高い。また時効処理を施した状態では、軟質あるいは硬質の燐青銅より導電率は高いがCu−Cr 合金の導電率に比べてかなり低い。

むすび
  従来、工業的規模での製造が困難視されていたCu−Fe 合金を特殊溶解法によって製造し、おもな特性について調べた。本合金CFAは各種の加工が容易であり、鋳造品はもとより棒・線・板などいずれにも加工することが出来る。500℃程度での時効処理により、常温および高温の強度を増し導電率も著しく向上する点は実用上注目に価する特性である。機械的強度が高く、耐摩耗性、ろう付け性、溶接性など優れた特性を有するCFA合金が新素材として広く活用されることを期待する。

図・表
   
  【第1表 記号・成分比・比重】
  【第1表 記号・成分比・比重】
   
  【第1図 Cu-Fe 2次元平衡状態図】
  【第1図 Cu-Fe 2次元平衡状態図】
 
  【第2図 Cu含有量による引張特性の変化】
  【第2図 Cu含有量による引張特性の変化】
   
  【第3図 CFAの加工硬化】
 
 
  【第4図 加工による金属組織の変化(CFA50)】
  【第4図 加工による金属組織の変化(CFA50)】
 
  【第5図 CFA50の熱処理とかたさの関係】
  【第5図 CFA50の熱処理とかたさの関係】
   
  【第6図 CFAにおける強さと延性との関係】
  【第6図 CFAにおける強さと延性との関係】
 
  【第7図 CFA50のかたさと摩擦量との関係】
  【第7図 CFA50のかたさと摩擦量との関係】
   
  【第8図 高温におけるかたさ】
  【第8図 高温におけるかたさ】
 
  【第9図 CFAの導電率】
  【第9図 CFAの導電率】
 
  【第2表 熱処理】
  すべての熱処理を施して供給することを原則としますが、用途によっては需要家側で熱処理を行っていただくものもあります。
以下に用途別の熱処理例を示します。
  【第2表 熱処理】
  なお、一般的な標準熱処理は以下の通りです。
溶体化処理;850〜950℃×30分/25mm径 水冷
時効処理;溶体化処理材:475〜525℃×1hr
時効処理;溶体化処理-冷間加工材:290〜310℃×1hr
焼   鈍;650〜750℃
   
  【銅鉄合金 顕微鏡写真6000倍】
  【銅鉄合金 顕微鏡写真6000倍】
 

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